FOURDIGIT
地域社会に生きるシングルマザーへの課題解決とビジネス構築の取り組み
Context
沖縄の社会課題の一つにシングルマザーの就労問題がある。9割を超える高い就労率の割に収入が全国平均より7ポイント低く、その多くがワーキングプアの状態にある。一方で、仕事に関しては「技術・資格取得の支援」の要望が最も多く、スキルアップを望みながらも、暮らしの困窮によって踏み出せない方が多くいることがわかっている。ひとり親の就労環境は子供の生活にも大きく影響するため、東京と沖縄の会社がタッグを組み、この状況を変えるビジネススキームをデザインした。「今」を速やかにサポートする仕組みと、「未来」に向けて発展・継続できること。そして実際に参加してもらうのは地域社会に生きるシングルマザー、子供たち。関係するあらゆる人に受け入れられる解決方法を目指した。
Our Approach
沖縄のシングルマザーに向けて、デジタルデザイン業務および周辺の業務スキル習得と就業機会の両方を提供するプロジェクトをデザイン。沖縄の企業が雇用の受け皿になりながらも東京のFOURDIGITに出向する形でメンバーの一員としてスキル習得と業務の実行を行う。研修中も時給を発生させ家計に空白がないように支援しつつ、支援団体とも連携して生活面のサポートするというスキームを構築した。各自治体とも連携を検討し、本質的な社会課題解決に向けて進行している。
Awards
0
名
シングルマザーの参加者
0
名
の子供たち
前職の時は、
子供たちと一緒に
ご飯を
食べられなかったんです。
子供たちと一緒に
ご飯を
食べられなかったんです。
プロジェクト2期生
Process
01
コンセプト
デザイン
デザイン
02
パートナーシップ
構築
構築
03
オペレーション
改善
改善
04
本質的な
課題解決へ
課題解決へ
コンセプトデザイン
すでに沖縄で展開されている様々な支援サービスとフォーデジット社内の人材の成長実績などを踏まえると、現実的に業務として持続的に実行が可能かどうかが鍵となった。このような就労支援サービスは、社会貢献という名のもとに単に初期教育を行うだけで実際は現実的な実務に参加できない、といったことが起こりやすい。私たちは、現地での雇用と就労が可能であり、スキル習得に向けたプログラムが構築可能であり、東京地域での人材でカバーしきれない領域を継続的に埋めるもの、というビジネス上の課題と解決策が結合する部分を導き出し、実務合理性が合致するコンセプトを構築した。
受講生だけだと
少なく見えるけど
その先に
30人以上の子供たちがいる
子供たちの未来に
よい影響を与えるデザイン。
少なく見えるけど
その先に
30人以上の子供たちがいる
子供たちの未来に
よい影響を与えるデザイン。
from Award での審査員からのコメント
パートナーシップ構築
東京のフォーデジットと沖縄の企業および支援団体の3団体が合同でプロジェクトを推進することになったが、通常こういった取り組みは、役割分担、費用負担、人的リソース負担などの議論が着地せずに物事が進まない。フォーデジットは、この議論で時間をかけるよりも前進させることが重要であると各団体と合意し、構想から半年でプログラム受講生を受け入れるところまで推進。その後に座組の調整などで必要な議論を行うとした。スタート時のリーダーシップを明確にすることで、その後の改善にかかる取り組みもスピードアップすることができた。沖縄外からのリードをすることで、結果的に全体の合意形成もスムースに進めることができた。
0
ヶ月
構想から
プロジェクトスタート
プロジェクトスタート
首都圏の企業が本業を通して
地方の課題解決に取り組んで
もらえることは、
地方にとって希望なんです。
地方の課題解決に取り組んで
もらえることは、
地方にとって希望なんです。
共同パートナー・株式会社レキサス:比屋根さん
オペレーション
シングルマザーの支援プログラムが実際にスタートし、カリキュラムに従って学習してもらいつつ、実務面に徐々に経験を積んでもらう。ただし、実際にスタートしてみると、子供の発熱などで就労時間のばらつき、一人一人の進捗の違い、生活環境の違いなどもあり、参加メンバーの状況を把握するためのオペレーション負荷が高いことが分かった。そのため、学習支援体制やカリキュラムの内容、日々の管理方法も含めて、走りながら最適な状態に導くサイクルを生み出して行った。結果的にそれぞれの進捗と実務参加をカスタマイズすることでメンバーの成長に寄与。
2年目以降のオペレーション改善によって、デジタルデザイン業務の遂行力も確実に向上した。参加者の高いモチベーションと意欲は、東京で働くメンバーにとっても刺激になり、参加者の子供たちにも変化が生まれ、参加メンバーだけでない周辺への影響も生まれていった。
2年目以降のオペレーション改善によって、デジタルデザイン業務の遂行力も確実に向上した。参加者の高いモチベーションと意欲は、東京で働くメンバーにとっても刺激になり、参加者の子供たちにも変化が生まれ、参加メンバーだけでない周辺への影響も生まれていった。
緊急事態宣言による休校や、
兄弟が多いと休まざるを
得ない
ケースも多くなる
ことがわかりました。
兄弟が多いと休まざるを
得ない
ケースも多くなる
ことがわかりました。
プロジェクトメンバー:花上(フォーデジット執行役)
それまで子供たちも
「えー、仕事なの」という
感じ
だったのが、応援して
もらえるよう
になりました。
「えー、仕事なの」という
感じ
だったのが、応援して
もらえるよう
になりました。
プロジェクト3期生
みんな同じ気持ちだから、
自分も頑張らなくちゃ
と思えました。
自分も頑張らなくちゃ
と思えました。
プロジェクト1期生
ブラッシュアップ
社会課題の全体像としては、単純に就労状況が改善すれば良いだけではない。生活に困窮している家庭によっては、不登校や非行、さらに世代を超えた時には、DVやネグレストなどの問題も隣接している。私たちは、本質的な解決に向かうために、マムフォースターの参加者、フォーデジットのメンバー、支援団体の方々を集めて、2日間のワークショップを実施。
調査を経て、ペルソナ設計、AsIsのジャーニーマップ、機会領域の設定とアイディエーションなどのプロセスを行う中で、男性側の問題、若年層への情報提供、または、現在シングルマザーの方々への支援活動の情報なども実際の生活者に届いていないことなどが明らかになった。フォーデジットはこのプロジェクトを超えて、各団体が協力体制を築くための支援、国や県、各自治体など行政との連携も含めて活動を広げている。
調査を経て、ペルソナ設計、AsIsのジャーニーマップ、機会領域の設定とアイディエーションなどのプロセスを行う中で、男性側の問題、若年層への情報提供、または、現在シングルマザーの方々への支援活動の情報なども実際の生活者に届いていないことなどが明らかになった。フォーデジットはこのプロジェクトを超えて、各団体が協力体制を築くための支援、国や県、各自治体など行政との連携も含めて活動を広げている。
子供たちを見ていられる
安心感が
あるし、
子供たちも『ただいま』が
言えるんです。
安心感が
あるし、
子供たちも『ただいま』が
言えるんです。
プロジェクト2期生
6歳の子が「大きくなったら
お母さんの職場で働く!」
と
言い出したんです。
お母さんの職場で働く!」
と
言い出したんです。
プロジェクト2期生
子供から「ママかっこいい」
と
言ってもらえました。
と
言ってもらえました。
プロジェクト2期生
Client
FOURDIGIT
Credit
- Producer
- Ryo TAGUCHI, Katsuki HANAUE
- Consultant
- Ryo TAGUCHI, Takehiro SUENARI
- Operation Manager
- Katsuki HANAUE
- Operation ・Instructor
- Yuhei TOKUNAGA, Takuya ABE, Hiroki SHIBASAWA, Yoshimichi TAKAYAMA, Yuka KONDO
- UX Designer
- Makoto KISHINO, Michiyo YAMANE
Partner
- Web teaser / logo
- SHIFTBRAIN
- Co-operation
- 株式会社レキサス、うむさんラボ、しんぐるまざーずふぉーらむ沖縄