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2020.02.28

デジタルトランスフォーメーション推進 見えてきた課題と解決の方向性とは

フォーデジットとNTTデータは、2018年4月の業務資本提携以来、ビジネス/サービスデザインはじめ、業務変革やITの導入定着など、さまざまなクライアントのデジタルトランスフォーメーション(DX)推進に共同で取り組んできました。大手流通業向けECサイトおよびアプリの刷新プロジェクトでは、フロントエンドのUI/UXをフォーデジット、既存システムと接続するAPIの基盤をNTTデータ、できあがったプラットフォーム上で展開させるマーケティングやサービスの諸施策についての提案をネットイヤーグループ(2019年3月よりNTTデータグループに参画)が担当しています。

 

クライアントは複数事業の集合体であり、ECサイトやアプリには、事業間のハブとなるプラットフォームとしての機能と、エンドユーザーとの重要なチャネルとなるマーケティングプラットフォームとしての機能が求められていました。また将来的には、サブシステムとの接続や新たなデバイスへの対応といったニーズが生じることも十分考えられます。そのため、既存システムとの接続性を担保しながら、プラットフォームとして柔軟に発展させられるような設計にする必要がありました。

 

プロジェクトに参画し、ともに試行錯誤を重ねてきたメンバーがクライアントのビジネスの目的を果たすプラットフォーム開発に当たり、見えてきた課題やその解決の方向性について意見を交わしました。

末成 武大 - Takehiro SUENARI

株式会社フォーデジット
取締役

畑野 全志 - Akishi HATANO

NTTデータ
第四金融事業本部
金融グローバルITサービス事業部
第五統括部 クレジット営業企画担当 部長

金原 学 - Manabu KIMBARA

NTTデータ
第四金融事業本部
金融グローバルITサービス事業部
第五統括部 第九開発担当 課長代理

飯尾 将史 - Masafumi IIO

ネットイヤーグループ
デジタルビジネスデザイン事業部
サービスデザイン部 部長
ストラテジックデザイナー

ランダムアクセスなデザインシンキングと、順序立てたウォーターフォール型のギャップ

末成:さまざまな産業でIoTが活用され、DXが急速に進んでいます。それに伴い多くの企業がビジネスの基盤となるWebサイトやアプリなどのプラットフォーム刷新に向けて取り組んでいます。刷新の中味は、UXとマーケティング施策、そしてシステム基盤という大きく3つのテーマが代表的かと思います。これまで我々はこうしたプロジェクトに関わらせていただいてきた中で、ものづくりにおける課題をたくさん感じてきました。
ここから先へと歩みを進めていくうえでも、きっといろいろな阻害要因があると思うんです。それはどういったことなのか、解決させるためにどう整理していけばいいのか、あるべき姿とはどういったものなのか、今日は経験豊富な皆さんと率直に意見交換をできたらと考えています。

 

畑野:元々、我々の部門では金融業界のクライアントのシステムのバックエンド側の仕組みづくりを得意としてきたので、フロントエンドの素養を持つ人材がおらず提案もできていませんでした。とはいえ、世の中の流れとして、クライアントのニーズがフロントエンドも含めた刷新にあることは肌感覚で掴んでいたので、さらに包括的な提案をしていくためにフォーデジットさんも含めた座組での提案を推進させていただいたという経緯があります。
そこでフォーデジットさんとの打ち合わせに臨んで提案の青写真を描いたわけですが、お互いの業務プロセスがあまりに違うので、正直この先ゴールに辿り着けるのかという不安はありましたね。

NTTデータ 畑野さん

末成:当社のデザインシンキング的なプロセスはランダムアクセスなので、章立てた整理ができないんですよ。整理してもリサーチをして違う課題が見えてくるとフェーズとしては戻ることもある。一方、SIerは順序立てて進めるウォーターフォール型の思考プロセスですよね。

 

畑野:それにUXについてもよくわかっていないところがあるので、フォーデジットさんの前でトンチンカンなことを言っていないかと気にしてしまう面もありました(笑)。

 

末成:オープンにアイデアを出す場だったから、トンチンカンなことでも良かったんですよ(笑)。正解を求めるというより、そもそも枠を取っ払う取り組みをし始めたわけですから。ただし、NTTデータさんにあらかじめそのように伝えていなかったことは反省しています。

 

畑野:1回やってみてわかりましたよ。次はもう大丈夫だと感じました。むしろUXについてはクライアントのほうが我々よりも慣れている感じはありましたね。窓口となっていただいたご担当者は普段業務システムなどをつくっているシステム部だけでなく、エンドユーザーと関わるユーザー部も加わってやりとりしていましたよね。

ガラガラ変わるエンドユーザーへのニーズ対応には、グリグリとフロントで作り変えられるプラットフォームを

飯尾:私は以前、SIerに在籍していましたが、システムインテグレーションのプロセス自体は、これまで大きく変わってはいないように感じています。

 

畑野:金融業界は特にそれまでのやり方を重んじる傾向にありますよね。

NTTデータ 金原さん

金原:従来のSIerの提案って、「こうすれば業務は効率化できます」「こうすれば収益は極大化できます」と、システムを通じて数字に繋がる課題解決をロジカルに提示するものがほとんどでした。
このプロジェクトには、そういった価値をいかにUXで高めていくかという主旨があって、私には衝撃的でしたね。ターゲットのペルソナを設定してストーリーを描くといったことなど無縁でしたので。

 

末成:そうでしたか。

 

金原:ただ、以前シリコンバレーに行って現地のさまざまなスタートアップを調査し、自社の業務に繋げられないかを探るプロジェクトに参画したことがあります。その時感じたのは、イノベーティブな技術を取り入れることよりも、既存の技術でどうユースケースを提供するかを考えてサービスを構築するところが多かったこと。これから我々も技術とユースケースを組み合わせ、エンドユーザへの価値を訴求していく必要があると感じました。

 

畑野:NTTデータ内でも金原のような機会や教育を受けた者はまだ少ないと思います。これからはシリコンバレーのスタートアップ企業のような目線を持つことも必要ですね。

 

飯尾:最近は、クライアントが提示する課題も変わり始めているように思います。システムを提案する前提となるのは業務における課題ですが、その課題が複雑化していることで、システムも複雑化している。さらに、今ではエンドユーザーの課題がクライアントのビジネス課題に直結しています。ですから、クライアントはSIerが考えたこともないような相談をしてくるのではないでしょうか。SIerとしては、その相談にどう対応するかが大きな課題でしょう。

ネットイヤーグループ 飯尾さん

末成:その一つの答えとして、サービスやコンテンツを自在に変えられるプラットフォームをつくるというソリューションはいいと思います。エンドユーザーのニーズはガラガラ変わるから、ドーンと構えたシステムをつくっても出来上がった頃には使えないといったことになりがちだからです。フロントでサービスをグリグリと作り変えられるのが理想的で、それができると面白いと思うんですね。
我々はフロントエンドのあるべき姿はブラさずにUXを改善できるように設計しているから、とりあえず75点でもいいからローンチして改善していけばいいと思っています。当初から100点の設計を目指すとなると、デザインや製造も100点を目指さざるを得なくなる。そこにウォーターフォール型との一番のギャップを感じます。

真っ白いキャンバスに1から描けない… 既存発想から脱却できない日本企業への対応

金原:気になっているのは、例えばボタンの配置や色味といったデザイン限定な場合はよいとして、画面で提供する機能や項目等をどんどん変えていくに当たり、バックエンドが協調する必要があると思うんですが、そういったスキームはできているんですか?

 

末成:現時点ではないと思いますね。

 

飯尾:持続的に運用しながら成果を上げていくには改善し続けていく必要がありますが、それを自助努力で回していくのか、我々のようなパートナーを使って回していくのかがはっきり定まっていないまま、導入するツールを決めてしまう企業が多いように思います。

 

末成:とりあえずの感覚で導入されているので、ツールの機能をしっかりと使いこなせずに、メールランチャーとしてしか活用しきれていないケースも多いですね。とは言え、後からMAやCMSを変更するのにも腰が重くなってしまいます。

 

畑野:真っ白いキャンバスに1から描けるわけではないと。後ろにいろいろとある既存システムを再定義してつなぐのはなかなか苦しいものがありますね。

フォーデジット 末成さん

末成:中国でスマホ決済が一気に進んだリープフロッグ現象は、通信、金融、流通などが発展途上でしがらみが少なかったから起きたこと。それに引き換え、日本企業はこれまでに積み上げてきたことが多い。それはDX推進という観点ではデメリットになってしまうこともありますが、伝統のある企業が金融もリテールも支え、日本は経済成長してきたわけですから、避けられない流れですね。だからこそ、我々はそこに切り込んで、クライアント企業を巻き込みながら新しい仕組みをつくる努力をしていきたいと思います。

 

後編に続く

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