洋服を購入する体験の中で、消費者は「買いやすさ」はもちろん「服を買う」以上のものを求めています。単にショッピングという楽しさではなく、その周辺の行動や体験も含めて設計する必要がありました。ファストファッションともなると、機能的な役割や求められる領域も変わってきます。NTTデータとフォーデジットは現在導入可能な技術をユーザーにどう届けるかを具現化する目的でプロジェクトに取り組みました。

ユーザーモデリングをするために、現在の体験をカスタマージャーニーマップに可視化。顧客の体験の中で起こっていることを、ワークショップと定量のネットリサーチで得た情報をもとにピックアップします。顧客の体験の中では、「配偶者に意見を聞く」「今は持ち帰らない」「試着室でサイズを変えるのが難しい」「レジや試着に並びたくない」など、時代とネットショッピングが普及したことで顕在化した課題に対し 、解決するためのアイディエーションを実施しました。その結果に対し、フィジビリティスタディを経て、実現可能なビジョンを映像化しています。

近い将来とはいえ、すでに中国やアメリカなどの先進的な国では一部実施されていることもあります。そういった現実を盛り込みながらショッピングにおける実現可能な体験を映像化。私たちが目指したのは、今あるテクノロジーを利用状況に合わせて消費者に受け入れられるシナリオ。通常の現実が変わっていくためには急激な変化を求めるだけでなく、スムースに受け入れられながら変化していくことも重要です。これらのアイデアは飛び抜けたものではない反面、実際に具現化される日が近いとも言えます。